【新大久保語学院レターNo.16】韓国の大学への正規入学(東国大学編)
韓国の大学への正規入学(東国大学編)
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韓国語を勉強している皆さんの中には、「いつか韓国の大学に進学したい!」という夢を持っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、そんな方に向けて「韓国の大学への正規留学」について、基本的な情報をご紹介したいと思います。 |
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1.新入学と編入学の違いとは? 韓国の大学に正規留学する場合、大きく分けて「新入学」と「編入学」という2つの進学ルートがあります。
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【新入学】基礎から4年間しっかり学びたい方に 「新入学」は、日本で高校を卒業した後、そのまま韓国の大学に進学して4年間学ぶスタイルです。基礎からじっくり学べるので、初めて専門分野に挑戦する方に向いています。
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【編入学】短期間で専門分野を深めたい方に 一方、「編入学」は、短期大学、専門学校を卒業していたり、大学に2年以上在籍していた方(卒業生含む)が対象になります。韓国の大学では3年次(または2年次)から編入し、2〜3年間学びます。短期間で専門知識を身につけたい方にぴったりの選択肢です。
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専攻は変えてもOK? ちなみに、これまでに学んだ大学や専門学校・短期大学での専攻と、志望する韓国の大学での専攻が異なっていても出願は可能です。専攻を変えて新しい分野にチャレンジできるのは、留学ならではの魅力のひとつ。これまでとは違う分野に興味が出てきた方や、学び直したいテーマがある方にとっては、大きなチャンスになりますね。 最終学歴が高校卒業の場合は「新入学」での出願のみ可能ですが、それ以外の方は「新入学」「編入学」のどちらにも出願することができます。つまり、すでに大学を卒業した方が、もう一度新入学して1年生から学び直すことも可能ですし、社会人経験を経てから編入という形で学びを再開する方も多くいらっしゃいます。 |
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年齢は関係ない?韓国の大学のリアル 韓国の大学では、年齢にとらわれず学ぶ姿勢が大切にされています。実際、韓国の学生は在学中に休学してインターンや語学留学に行くことも多く、特に男性なら兵役もあるので6~7年、女性の場合でも5〜6年ほどかけて卒業する人も少なくありません。 そのため、キャンパスにはさまざまな年齢の学生が在籍しており、日本の大学よりも年齢に対する意識が比較的ゆるやかな印象です。 |
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一歩踏み出す勇気 「今の年齢で大学に通ってもいいのかな…?」と迷っている方も、学びたいという気持ちがあるなら、ぜひその一歩を踏み出してみてください。新たなスタートに、遅すぎるということはありません! いずれの形で入学しても、卒業すれば「韓国の4年制大学卒業」の資格を得ることができる点は共通です。 |
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2.授業内容 ―東国大学の場合― ソウルの中心部に位置する東国大学は、仏教系の総合大学です。特徴的なのは、仏教の教えをもとにした必須科目があること。 |
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内面と向き合う「仏教の教え」の必須授業 「自我と瞑想1」「自我と瞑想2」「仏教と人間」などの授業では、自分自身の感情や思考と向き合う時間が設けられており、内面的な成長も大切にされていることがわかります。
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外国人留学生向けの授業も また、外国人留学生向けに「グローバル人材トラック」という科目群も用意されています。 たとえば、「大学韓国語(発表と討論/読解と作文)」「グローバル韓国文化」「韓国の法と政治」「数学と統計の理解」などがあり、出願時のTOPIK(韓国語能力試験)の成績や所属学部によって、履修する授業が決まります。 これらの科目と所属する学部の専攻科目とあわせて、1学期に計6〜7科目を受講するのが一般的です。 |
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韓国の奨学金は「給付型」が主流 また、東国大学をはじめとする多くの韓国の大学では、留学生向けの奨学金制度がとても充実しています。「奨学金」と聞くと、日本では「借りて後から返すもの」というイメージを持つ方も多いかもしれませんが、韓国の奨学金は基本的に「給付型」。 つまり、返済の必要がないのが大きな魅力です。 入学時には、出願時に提出したTOPIKの成績をもとに奨学金の支給が決まります。たとえば東国大学では、TOPIK4級以上の成績で入学した学生は、1学期目の授業料が50%免除されます。 さらに、2学期目以降は前学期の成績に応じて、最大で授業料の60%が免除される制度もあります。 これは「頑張れば頑張るほどお得になる」仕組みで、学習のモチベーションにもつながりますよね。 また、入学後にTOPIKのより高い級を取得した場合、追加の奨学金を受け取ることも可能です。留学生にとって、これほど心強いサポートはなかなかありません。 |
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3.入試方法について 韓国の大学では、本人とその両親がともに外国籍(韓国籍以外)であれば、「外国人選考」で出願することができます。選考は基本的に書類審査が中心で、学科によっては面接や実技試験が行われる場合もあります。 |
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共通テストは不要/韓国語力が鍵 日本の大学入試のような共通テストを受ける必要はありませんが、出願時に必要な韓国語力(TOPIKの級など)に満たない場合は、大学独自の韓国語試験を受けることになることもあります。ただし、独自試験がない大学もあります。
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入学時期は年2回!自分のタイミングで選べる 入学時期は春(3月)と秋(9月)の年2回で、どちらを選んでもカリキュラムに違いはありません。3月入学を希望する場合は夏から秋に、9月入学の場合は冬から春にかけて出願準備を進めることになります。自分のタイミングに合わせて選べるのはうれしいポイントですね。
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選考基準について 外国人選考では、評価基準や倍率は公開されていませんが、主に高校や大学の成績、語学力をもとに判断されます。大学によっては、これに加えて自己紹介書や活動証明書類(ボランティア経験、語学資格など)、面接、実技試験などで多角的に評価されることもあります。 出願に必要な情報は、各大学の国際交流チームが発表する外国人選考用の募集要項から確認できます。 基本的には韓国語で発表されますが、一部大学では日本語版も提供されています。 韓国語が読める方は自分で準備を進めることも可能です。 私自身もこれまでに3回、すべて自分ひとりで出願しました。 ただし、不安がある方は留学エージェントの利用も検討してみてください。 エージェントによっては提携大学への推薦制度があり、合格率アップにつながるケースもあります。複数のエージェントに話を聞いて、自分に合ったところを選びましょう。 |
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「外国人選考」と「在外国民選考」の違い なお、出願の際には「外国人選考」に該当するかどうかをしっかり確認する必要があります。というのも、本人や両親のうち、いずれかが「韓国籍」である場合、たとえ日本で生まれ育っていても「外国人選考」ではなく、「在外国民選考」という別の枠で出願しなければならないからです。 |
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「12年特例」とは? また在外国民のうち、小学校1年生から高校3年生までの12年間すべてを日本で過ごした場合は「12年特例」という区分で出願でき、基本的には書類審査での選考となります。一方、 その12年間の間に少しでも韓国で教育を受けた経験がある場合(例:小学校1年生だけ韓国 で過ごしたなど)は、韓国人と同じ枠での出願となり、筆記試験の受験が必要になる場合もあります。 |
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帰化した場合の注意点 さらに、過去に韓国籍から帰化した経験がある方については、帰化のタイミングによって出願区分が異なるため注意が必要です。一般的には、高校入学前に外国籍を取得していれば 「外国人選考」の対象になりますが、最終的な判断は大学ごとに異なるため、志望大学の募集要項を必ず確認しましょう。 |
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4.合格の秘訣は? それでは、どうすれば韓国の大学に合格することができるのでしょうか?大切なポイントは、主に3つです。 |
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学校の成績を良くすること まず1つ目は、「学校の成績を良くすること」です。新入学の場合は高校の成績、編入学の場合は高校と短大・専門学校・大学の成績が重視されます。日々の授業や課題、テストに真剣に取り組み、成績アップを目指しましょう。 |
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語学力の強化 2つ目は、「語学力の強化」です。新入学にはTOPIK3級、編入学にはTOPIK4級相当の韓国語力が必要とされます(一部学科を除く)。しかし、より高い級を取得しておくと、それだけ合格に近づきます。 加えて、大学によっては英語(TOEIC・TOEFLなど)や中国語(HSK)の成績も提出可能なので、これらのスコアでも自分をアピールできます。 |
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自己PRの準備 そして3つ目は、「自己PRの準備」です。自己紹介書や面接がある大学では、自分の志望動機や強みをしっかりアピールしましょう。 実技が必要な学科(音楽・美術・演劇など)を志望する方は、専門的な対策も欠かせません。 |
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成績だけでは決まらない!最後は「挑戦する気持ち」 ただ、成績が良いからといって必ずしも有名大学に合格できるわけではありません。逆に、 成績が思わしくなくても志望校に合格した例もたくさんあります。 大切なのは「諦めずに挑戦し続けること」です。 ソウル大学・高麗大学・延世大学などのハイレベルな大学にも果敢に挑戦しつつ、併願校も視野に入れて、留学の可能性を広げていきましょう。 ご紹介した3つのポイントを意識しながら、第一志望の合格を目指していきましょう! |
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5.留学生活に向けて、今からできること
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韓国語の勉強は最優先! 最後に、充実した韓国留学生活を送るための準備についてお話しします。 まずは何といっても「韓国語の勉強」です。 外国人向けの一部科目を除けば、現地の韓国人学生と一緒に授業を受けることになります。 聞き取りが苦手な方は、講演会やニュースなど少し難しめのコンテンツで耳を慣らしておくとよいでしょう。 難しすぎると続かないので、自分の興味のあるジャンルを選ぶのがおすすめです。 |
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意見を述べる力・論理的思考を鍛えよう また、韓国の授業では「自分の意見を述べる場面」が多いため、日頃から「なぜそうなるのか?」と物事に疑問を持ち、ニュースや人の意見に耳を傾ける習慣をつけると、自分の考えをまとめやすくなります。論理的思考を鍛えるという意味では、TOPIKⅡの対策も役に立つでしょう。 |
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意外と重要!韓国語タイピング練習 次に意外と大事なのが「韓国語のタイピング練習」です。日本語のローマ字入力には慣れていても、韓国語入力は別物。 どのキーがどの文字かを覚える必要があります。 入学後にタイピングを覚えるのは結構大変なので、今のうちから練習しておくと安心です。 ハングルのシールをキーボードに貼ったり、タイピングゲームを活用するのも効果的です。 |
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留学の「目的」と「夢」を明確に そして何より大切なのが、「自分がなぜ留学するのか」「将来どんな自分になりたいのか」を明確にしておくことです。韓国は日本に近いとはいえ、やはり「海外」です。 知り合いのいない環境で生活することは刺激的である反面、つらい瞬間もあります。 そんなとき、自分が掲げた目標や夢を思い出せば、「もう少し踏ん張ろう」と前を向けるはずです。 一人でも多くの方が、韓国留学を通じて“理想の自分”に出会えることを願っています。 |